第2話 噂の転入生現る

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**** 「お前ら!席につけ!って、なんだお前ら珍しく席に着席してるな…。」 そう不思議そうな物を見る暑川先生なんか今、2年D組の生徒にとってはどうでも良いことだった。 彼らにとって今もっとも気になっていることは、このクラスに今学園中の注目の的である、転校生が入ってくるか、来ないかただそれだけだった。 転校生が来るという大変面倒なことだけは避けたいっ!! 誰もが固唾を飲んで暑川先生の出方をうかがっていた。 「なんだ?いつにもまして不気味だな!ハハッ!元気がないのか?元気が出ない時は体を動かすと元気が出るぞ!」 そんなことを知らずに、体を動かすことに熱く語る先生。 (そんなことはどうだっていいんだよ!早く転校生が来るか来ないか伝えろよ!) (頼むから、平和に過ごさしてくれ!) (マリモ来るなもじゃ来るなマリモ来るな) (俺も運動しよう) みんなが様々な思いを抱えつつ静かにしていると、暑川先生は突然黙った。 「そういえば、みんなに話さないといけないことがあったな。」 みんなが次の言葉に耳を傾けていた。 さぁ、来るのか?来ないのか? 「どうやら2学年に転校生が入ってくるらしいぞ。お前らも学園のこととか教えてやれよ」 まるで他人事のように話す先生。 「も、もしかしてこのクラスじゃない感じ?」 その言葉を筆頭に数々の喜びの言葉が聞こえてきた。 2年D組はいつにもなく喜んでいた。 喜びのあまり叫ぶものや、神に感謝するものや、踊りだす者もいた。 (ハハハッ、転校生が入ってくるクラスには悪いが、ひとまず俺らのクラスは平和だな。) 「お!どうした!お前ら、そんなに転校生が入ってくるのが嬉しいのか!」 その言葉を聞くまでは俺達は幸せだった。
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