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「二人目の転校生が来る」
そんな噂がある山奥にある、ある金持ち学校、私立の全寮制高校凰堂学園(おうどうがくえん)に出回っていた。
その噂を耳にしたある者は現実逃避し、ある者は狂い、怯え、怒り、涙した。学園中はまさにカオスな状態だった。
何故そのようになっているのかと言うと、その原因は、4月の終わりに1年B組に転入してきた蓮見 瑛太(はすみ えいた) 通称イケメンホイホイのせいだった。
彼は不潔なボサボサな髪の毛に、瓶底のような分厚い眼鏡をかけている何処か怪しい容姿であった。そして見た目がマリモに酷似していた。見た目だけならまだしも中身も声が大きく騒がしく人の話を聞かずまるで自分の全てが正しい、むしろ俺がルールじゃね?という具合の自己中心的な性格だったのだ。
座れば喚きちらし、立てば暴れ、歩けば破壊を繰り返すなど止める術がないほどの問題児だった。
だが、困ったことにこんなのの何がいいのか、学園中の人気者達が惚れていくという摩訶不思議な現象が起きた。普通の人はこいつら頭がおかしいだろうと、嘲笑うとこだが、厄介この上ないことにこの人気者達には親衛隊というものがついていた。
親衛隊達は愛して止まないお方達がこんな訳のわからないマリモ野郎に心を奪われているのを見て嘆くよりも、嫉妬と怒りに狂った。
そしてマリモ撲滅委員会は結成された
また、マリモやこの混乱に便乗するかのように、暴力や強姦などが起こるなど荒れるに学園は荒れた。
通常では、生徒会や風紀員などが生徒達を纏めなけばならないのだが、肝心の彼らも多数マリモに落ちているのでもう学園もお手上げだった。残ったわずかな正常者が仕事をしていくのだが、膨大な問題の数々にすべてに手が回らない。
そんな絶望的な中唯一の救いは、F組、通称"不良クラス"のトップである帝王とその仲間たちが不在なことだった。
この学園のF組はガラが悪く、問題ばかり起こし、金をつぎ込んで来ただろうという危険人物が多い。棟もF組だけ離れていて誰が見ても隔離されているということがわかった。
そんな曲者揃いのF組を纏めている帝王とF組のカースト上位メンバーは、強さと顔の良さを兼ねており、言うなれば生徒会役員達と同じぐらいの人気をもっていた。
そんな彼らがこの場に居ないのはとても助かることだった。
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