0人が本棚に入れています
本棚に追加
1ページ
ルナはマイク片手にまた放送を始めた。「この場面が伝わっているでしょうか? 恐ろしい事です。命の尊さに対する心の美しさが全く見られません。桜の呪いを主張した占い師は、魔女王国の長老ゴバでした。占い師に変身していたのです。魔法界連合国の捜査員の皆様、至急ここに来て下さい。魔女王国の指導員全員がここにいます。大至急!」
さらに怒り狂ったゴバは恐ろしい形相のままに、両手をルナに向けた。
「私の分身たちよ、私の思いに燃え上がれ! 血も涙も残さない完全なる報復を!」
ルナはゴバを見ながら放送を続けた。
「魔法界の全て皆様、聞こえるでしょうか? 私ルナは今、死を覚悟した放送をいています。これが私の任務なら、喜んで命捧げます。私は今、心から思います。命の尊さと心の美しさ、これが全てのように思います。命の尊さと心の美しさ、これが私たちの一番の宝物です。命の尊さと心の美しさ、それが生きる光です」
頭上で燃える幾つもの炎が一つになって、ルナの頭を覆った。ルナは叫んだ。
「嫌! 苦しい! 命の尊さに対する何という冒涜! 命の光は心の美しさよ! 私たちの心の美しさは永遠に命の光よ!」
ルナの頭は炎に覆われたまま、彼女はよろよろよろめきながら、盲者のように歩いた。命の尊さに対する何という残虐さ! 身の毛が弥立つような恐怖で、住民たちはそれを見ていた。誰もが助けたい思いだった。消火器のようなものは何もなかった。ゴバは鬼のような顔で、勝ち誇ったように見ていた。
「愚か者め! 私に楯突くなど、百年早いわ! 皆の者、助けるなど絶対許さん! 助ける者は同じ目に遭う!」
誰もが恐怖に怯えたままだった。エルはルナの心に魂の輝きを感じた。彼女はルナの跡を継ぐように放送を始めた。
「魔法界全ての皆様、聞こえるでしょうか?フラワーファンタジーランドでは今、恐ろしい事が起こっています。私の仲間であり、先程まで放送していたルナが燃えています。ルナの頭が燃えています! これは魔女王国を裏切った私たちへのゴバの報復です。ルナを助けた者は同じ目に遭わされます!こんな恐ろしい事ができるでしょうか?これは命の尊さへの最大の冒涜であり、大罪です! こんな事は心があれば出来ません!私も狙われています。私は今、心から思います。心の美しさ程光輝くものはありません。
最初のコメントを投稿しよう!