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住民たちも上着を脱いで消火にかかった。しかし炎は消えなかった。上服が燃えただけ。ゴバは住民たちに厳しく言った。
「言ったはずだ! 桜の呪いに刃向かう者は破滅だ! 桜の呪いがお前たちに覆い被さる!」
そこに黒服で覆面の者たちが大勢現れた。住民たちはさらなる恐怖に怯えた。覆面たちは上着を脱いで、消火に当たった。彼らの一人が言った。
「心配しないで下さい。安心して下さい。我々は魔法界連合国警察部隊です」
その言葉にゴバは、反撃態勢を取った。それに対抗して覆面たちは、四方から強力な光をゴバに浴びせた。ゴバは盲滅法わめきながら、ありったけの抵抗をした。
「何をする! 何をする! 私に何をする! 私の邪魔をする奴は許さん! 畜生! 馬鹿野郎! 絶対許さんぞ!」
その光景を見ていた花の妖精たちは、
「運命の炎よ、今よ。あの女の口に轡を嵌めて。あの女の口から出る言葉が強力な魔法になっているの」
四方から強力な光を浴びながらも、わめきながらありったけの抵抗をするゴバ。運命の炎は緑色の輪になって、ゴバの頭上に現れた。その炎はありったけの抵抗をするゴバの頭から、すっぽり覆った。そして猿轡になった。ゴバはもぐもぐするだけで、一斎の言葉が出なくなった。ゴバは猿轡を外そうと必死。しかし猿轡はびくともしなかった。ゴバの全ての魔法が無力になった。男たちとメーナが押さえていた斧から力が抜けた。四人はそれを喜んだ。メーナは心から喜んだ。
「やった! やった! 桜切られずに良かった!」
「本当だ。切られずに良かった。メーナ、大丈夫か?」
「大丈夫よ。助けてくれてありがとう!それにしても凄い魔法だわ」
「余程に桜が憎かったんだろう。とにかく切られずに良かったよ」
懸命にルナたちの消火を試みる警察部隊、しかし炎は消えなかった。服が燃えただけ。ルナたち三人は両手を回し合ってしゃがみ込んだまま、ぴくりとも動かなかった。三人の頭は炎に覆われたままだった。メーナと男たちはそれを見た。余りの衝撃に言葉が出なかった。四人は斧を捨て駆け寄った。その無情さにメーナの心は壊れる程に痛んだ。彼女は素早く上着を脱いで消火に当たった。男たちが続いた。服が燃えただけで炎は消せなかった。メーナは心が痛んだまま、
「可哀想!何とかならないの?余りに可哀想!」
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