プロローグ  真琴

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《ねえ、肩を抱いてた女の人は誰?》 メール送信して待つこと1日 ごめん、マコを不安にさせて 彼女は仕事の関係者で肩を抱いてたのは、ピピピピピピって理由 きっと大丈夫 ぼくの不安を感じ取って、きちんと彼女とのことを説明しくれると願って、待ってたのに 《相棒》 ウキーッ! 怒ったサルになったぼくの顔は、真っ赤っか やだー、あのお菓子買ってー 思いっ切りわがまま言っても『喧しい!』怒られない平和な子どものように地団駄踏んで 《ずいぶん仲が良さそうだね。もしかして、彼女と生活してるの》 嫉妬丸出しのメール送信したあの日から、既に8日と7時間18分21秒経過 着々と秒針は動いていくのに 圭介からの返信はない 「ねえ、どうして? ぼくのこと、嫌いになったの? ぼく、待ってたんだよ」 枕元に置いた圭介のB5サイズに拡大した写真に、聞いても返事はしてくれない あーあ、唇、ふやけちゃってるね 毎日、毎日、写真の圭介に 『おはよう』 『おやすみ』 キスしてたから水気を含んでる 「これが、ぼくが圭介を待ってた時間だよ」 唇がふやけた圭介の写真を手に・・・・・・、いや、圭介はダメ ダダダ 部屋から飛び出して階下へ投げたつもりで、三段下に落ちたのは 圭介からのプレゼント、ラクダ色のシャツ ふやけてても圭介の写真は無理 ラクダ色のシャツなら平気だと、思ったけど 「うっ、  うううっ、  うわぁぁあああん」 やっぱりダメ 圭介からのプレゼントをこのままにしておけない 鏡下のパンツを拾って「ごめんね」次はシャツ 階下へ一歩、踏み出した足はツルン 「うぎゃあああ!!」 自分の流した涙を踏んで、すってんころりん 《ゴッチーーーン!》 目の前に花火が広がったぼくの意識は、一瞬で沈んだ
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