第1章

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俺様は、漫画の懸賞に応募する為 徹夜で、原稿と向き合っていた。 我ながら…。 「面白い…。」 その時だった。 「ぱららっぱっぱっぱ~!」 ドラゴンクエストのレベルアップ音が鳴り響く。 びくうっっ!俺様のメールの着信音だ。 俺様は焦った。 俺様のメアドは誰も知らないはず…。 俺様は、警戒し、ほふく前進でケータイに近づき 恐る恐るケータイを手にする。 そこには ーその漫画じゃ賞は獲れん。ー 一瞬頭がクラッとした。 俺様は、この言葉を理解のに18秒掛かった。 「何ぃぃぃいいい~っっ!」 一体、誰がっっ! 俺のメアドは誰も知らないはずぅっっ! …まさか、未来の自分が! いやいや、それはないな。 冷静になれ!俺! 俺様は、座禅を組み心を落ち着かせた。 そうだ、落ち着つけ!俺! 一筋の汗が流れ落ちる。 そうだ、相手のメアドをチェックしよう! 俺様は、メールのアドレスを確認した 見たこともないメアドだった。 「俺様の最高傑作が空振りだとうっ!」 俺様は原稿を見直す。 やはり、何度見ても…。 「面白い。」 その時だった。 「ぱららっぱっぱっぱ~!」 またさっきの奴か! 俺様は、獲物を狙うハンターの目でケータイをにらむ。 そこには… ー俺様さんの作品(○○○○)への ○○○出版社の評価。 ・絵柄が古い ・キャラクターに表情がない。 ・セリフだけで話を進めようとしている。 ・丁寧に描いている。 評価ランクE ー 俺様は、頭が真っ白になった。 「なっ、何故!俺様が○○○出版社に 投稿することを、知っているんだぁぁ! しかも、タイトルまで…。」 俺様は一気に結論付けた! 「イタズラだ! 差出人もわからないメールに関わってられません!」 しかし、言われてみれば そんな気が、しなくもない…。 「絵柄が古い…か。」 ズバっと言われるな…。 表情がない…。 そう言えば、俺の原稿…。 「白ばっかだな。」 セリフだけで話を進めている…。 確かに、俺のキャラクター…。 「突っ立ってばっかだな。」 丁寧に描いている…。 なんか…。 「うれしい…。スッゴく、うれしい!」 俺様は、キャラクターの表情を 描き足してみた。 ペン先の擦れる音が響く。 先程よりも、 キャラクターの気持ちが伝わってくる気がした。
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