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前籠に黒い猫、後ろの荷台に男(十代半ばくらい)が居る。見えないのになぜか分かる。背中に寄り掛かってくる感触とか、猫増殖の気配とか。不思議と怖くない。
向かい風の時に助けてくんないかな、と思ったらいきなり追い風になったり、後ろから仄かにチャリごと押されたりする。
寒い日は猫の気配が手でも置いてるのか手の甲だけほっかほか。役に立たないけど気持ちはありがたい。
車に乗るようになってからは気配がなかったんだが、最近チャリに切り換えた。ガソリン高いから。
漕いでるとまた気配がする。
そういやどんな事故にあっても大した怪我してない。守ってくれてるのか。
チャリを買い換えてもついて来る。律義。
盗まれた時は数日して見つかった。手紙ついてた。ごめんなさいだってよ。
奴らは何者なんだろう。
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