サイトからの抜粋

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私の祖父は息子が欲しかったらしく、母含めて六人も子供作ったが、全員が女だった。 子供が駄目なら、せめて男の子の孫を……と切望していたのだが、八人目の孫である私まで、孫までも全員が女。 それでも男の子の孫が諦めきれなかった祖父は、近所の神社で 「娘達の誰かに、是非男の子を授けて下さい」 と連日お願いしていた。 それを三年も続けた頃、いつものようにお願いしていたら、どこからともなく 「お前もしつこいなー全く。わかったわかった」 と、物凄く投げやりで面倒臭そうな声がしたそうだ。 それから暫くして、うちの母が妊娠。それが男の子と発覚した時、祖父は 「神様ぁああぁー!」 と叫び、小躍りし過ぎてぎっくり腰になった。 霊体験かどうかは微妙だが、神様(?)って結構適当な返事するもんだなと思った。 祖父はいまだに、その神社に頻繁にお賽銭をあげに行く。
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