遥斗の過去と……気持ちの渦

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俺はゆっくりと思い出しながら、2人に話しをした! [[ 遥斗の過去 ]] お父さんとお母さんの3人家族。 一人っ子だった俺は、泣き虫で甘えん坊でいつも両親を困らせてた。 それでも、温かいごく普通の家族がそこにはあったんだ。 それが無くなり出したのが、、小学校に入学した頃、お母さんがスナックで働き始めて……うちの家族がバラバラになる切っ掛けになった。 お父さんは建設会社を立ち上げていたが、職が無いから雇ってあげてくれと、親友から頼まれ、そいつの弟に会計を任せる事に。 でも、数ヶ月後会社の金を根こそぎ持ち出され……弟家族は夜逃げしやがった。 お父さんの親友は、何度も何度も頭を下げにきてたがお父さんは1度も怒る事をしないまま親友を許した。 それから少しして、お父さんが倒れて入院・・・・・。 その間、俺は独りぼっちで家にいた。 お母さんは、スナックで知り合った男達と浮気三昧。学校の休みの時には、俺を連れて浮気相手の家に行ったりもされた。 お父さんが退院して、子供ながらにホッとしたのを覚えている。 だけど…退院から数日後…お母さんが浮気相手と蒸発してしまった。 玄関で毎日暗くなるまで、俺はお母さんの帰りをただひたすらに待つ…そして次の日も同じ様に―――。 いくら待っても、待っても、待っても、お母さんが帰って来る事は2度と無かったんだ。 それから俺の頭の中で、自分のお母さんは死んだんだと思う事にした…。
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