700人が本棚に入れています
本棚に追加
お母さんが蒸発したのが小5の冬……その後は、お父さんが男手1つで俺を育ててくれた。今思えば、慣れない家事をしたり、スゲー大変だったに違いない!
毎朝必ず起きたら、朝ご飯が準備されていた。仕事で本人は朝一で現場へ行って居なかったけど、机の上に置かれた形の悪い玉子焼きを思いだし、お父さんの愛を感じ胸が熱くなる。たった1人の大切な俺の家族――。
それすら崩す出来事があるなんて、1ミリも考えていなかった。
寂しい中にでも、お父さんの愛が俺を包んで守ってくれていたから……。
俺が中学2年に上がった秋に………。
休日でいつもより遅く起きた俺は、遅い朝ご飯を食べようと台所へ行った!
〝 ん?何も準備されてない?! 〟
今まで1度も朝ご飯が準備されていない事なんて無かった……。
変に思った俺は、早歩きでリビングに向かう。
扉を開けたリビングは――ヒヤッ…。
妙な胸騒ぎがする、、、ドクドク…嫌なくらい心臓の音がヤバイ。
リビングに置かれたソファーに横になっているお父さんに、震える喉で声をかけた。
『 お父さん?寝てるの?? 』
そーっと近づきながら…………!!
『 お、お、お父………さ…ん …… 』
普通じゃない……何が目の前で起きてるんだ?!
今出来る事は何だ?落ち着け、、どうしよう、、手が震える、、足もすくんで動けねー。誰か助けてくれ……。
目の前に居るお父さんの鼻からは……
泡が出ていた。顔も青白く…俺は不安と恐怖で動けないままだった。
最初のコメントを投稿しよう!