第1章

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10年後。 都心の一等地のペントハウスで、アイドル予備軍の女の子達を侍らせ、最高級のシャンパンを飲んでいたのは、遥か昔の事。 俺はいま、今日の飯さえ満足に食うことができない程、落ちぶれている。 思えば株で大儲けした時に、俺の運は使い尽くされたのだと思う。 あの後ロトくじを何度買っても、掠りもせず。 幾つもの値上がりしそうな銘柄の株を買っても、値下がりはするが全く値上がりはしなかった。 それなのに俺は貯金もせず、金を湯水のように使い続けた結果、破産する。 俺の手元に残っているのは、このスマホだけ。 このスマホも数日中には、料金滞納で使えなくなるだろう。 そうだ!? スマホが使える内に10年前の俺に向け、今の俺の気持ちと忠告をメールで送ろう。 俺は10年前の貯蓄もせず、金を湯水のように使い続けた俺に向け、メールを送る。 「馬鹿やろ――――!! お前の、お前のせいで………………」
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