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緑色のシールド?青いシールドと何か違うのか?そんなことを考えていると、
「ほら、行きますよ」
とひなちゃんが俺の手を引く。
「ちょ…!!置いていくの!?」
戸惑う俺。ほんとにどうしていいか分からなくなった。その時
「大丈夫って言ったじゃないですか!それとも何ですか?ひなの言うことが信じられませんか?そんな細かいこと気にしてたらこの先、生きていけませんよ!」
………この姉妹本当怖いな~。でもこの子見た目相当小さいし彼女の事を"お姉ちゃん"と言ってるあたり、まだ小学低学年らへんなんじゃ…
「何考えているんですか?早く逃げないと…!!危ない!」
「え…」
ひなちゃんが俺に思いっきりタックルしてきた。
「ちょっと!何でタックル何か……!!!ひなちゃん!!?」
俺に思いっきりタックルかましたひなちゃんは、その場にうずくまっていた。辺りには、赤い血の水溜まりができていた。
「ひなっ!?」
彼女がひなちゃんの方に寄ってくる。ひなちゃんは、意識がないようでぐったりしていた。
「あんた!何で早く逃げなかったの!?馬鹿なの!!?」
「いや…俺は…」
彼女はすぐにひなちゃんを奪い取ると、必死になってゆすった。
「ひな……起きて!死んじゃ……死んじゃ嫌よ!」
…見ていられなかった。自分のせいで…自分のせいでこんなことになるなんて思ってもなかった。
「何で…」
「え?」
彼女が急に胸ぐらをつかんできた。
「何ですぐに逃げなかったの!!?」
「………っ!」
「あんたのせいでひなが死んだらどうすんの!?私にとってひなは…ひなは……最後の………この世界で生き残った最後の家族なのよ!」
何も言い返せない…。だって悪いのは自分だって分かっているから…あのとき逃げていれば…
「お二人さん。もうそこらでいいか?」
「え?」
「あっ!?しまっ…」
彼女が吹き飛ばされた。そしてそこには、残忍な顔で笑うヤクザたちの姿があった。
「おっと坊主。そこを動くなよ。大事なお仲間が殺されたくないんならな」
「っ!!」
「くっそ!邪魔だどけ!…!ぐぅ!!あああああああぁぁあああぁあ!!!」
「アッハッハッハ!こうなるとさすがのミラー使いさんも無理みたいだなぁ!…いやこう呼ぶべきか。脱走者ナンバー3958 3988寺田彩音 寺田ひな」
脱走者ナンバー!?
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