第2章~妖魔~

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木崎さんが部屋から出ていくとイツキは身を乗りだし、またも私を睨み付けた。 『お前ってほんっと余計な事ばっかしてくれるよな。』 「ご、ごめんなさい。」 『ヒロさんが誤魔化してくれなきゃせっかくの証拠がパーになるとこだったんだぞ!?』 イツキが捲し立てるとシュンが私を庇う。 『まぁまぁ。セラは悪気があった訳じゃないんだし、もともと隠すのが苦手だしな。何も言われなかったからそれでいいだろ?』 『……シュンはセラに甘すぎる。』 イツキは乗り出していた身体を戻すと腕を組みプイッとそっぽを向いた。 「シュン……ありがとう。」 庇ってくれたことが嬉しくて甘い顔をしながらそう言うとシュンは厳しい顔で私を見た。 『でもセラ。今度からは気を付けないと、どこでどんなボロが出るか分からないぞ?少しはSadsのメンバーであることに自覚を持て。』 叱られるとは思っておらず気持ちがシュンと萎んでしまった。 「ごめんなさい。気を付けます……。」 そう言って下を向きショボくれているとシュンは私の頭をポンポンと撫でた。 『けっ。また結局それかよ。』 イツキがまた毒を吐いた。 それでも私はシュンに頭を撫でられた事が嬉しかったのでイツキに毒づかれた事は気にならなかった。
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