プロローグ

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「はぁ、やっと2日目が終わった……」 いつもの帰りを重い足取りで歩きながら、僕こと坂波 蓮(さかなみ れん)は溜息をつく。 学生の試練とも言えるであろう期末テストの半日がやっと終わった。だがまだ半日。次の日がテストというこの脱力感はまだまだ消えることはないだろう。 「ったく、これくらいの問題で疲れてるのか蓮は。だからお前はいつまでもバカだのアホだの言われんだよ」 僕の横でやれやれ、とマヌケヅラを横に振るのは僕の悪友の武中 結梨(たけなか ゆうり)だ。顔は良く運動もできてさらにテストもほぼ満点。結果だけ見れば結梨は完璧な人間だ。だがこいつは何事にもやる気がない。教師達には不良生徒だと目をつけられているほどだ。 でも女の子に聞いたところそこがギャップを感じていいらしい。こいつ今ここで車にはねられないかな。
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