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あまりにも早くチャイムを鳴らした私に、彼は笑いながら早かったね、と言った。 うまく言い訳ができなくて私も笑ったけれど、きっと近くで待っていたことに気付いただろう。 部屋はこの前と同じように片付けられていた。 「卒検どうでした?」 「おかげさまで、合格したよ」 「おめでとう」 「うん。凛ちゃんは?」 「私ももうすぐ取れそうです」 「そっか」 教習所で会うことがなくなるのは少し寂しかったけれど、今後もこうして会えると、少しも疑っていなかった。 テレビを見ながらテーブルの前に並んで座り、ペットボトルの烏龍茶を一緒に飲んだ。 私は彼女になれたのだろうか。 「佑典くん、彼女いるの?」 思い切って質問してみた。 この状況で、他に彼女がいるとは考えにくいのだが。 「え?いるわけないじゃん」 失笑して言った彼。 安心した私とがっかりした私。後者の私は、凛ちゃんが彼女だよ、と言ってほしかった。 「立候補してもいいですか?」 緊張する私の頬に触れて彼は言った。 「俺にはもったいないな」 その答えの意味を考えていると、佑典くんは続けて言った。 「シャワーしてきていい?」 そして私の返事も待たずに立ち上がり浴室へ行った。 彼も同じ気持ちだと、期待して良いのだろうか? すぐにシャワーの音が聞こえはじめ、私はずっと胸がどきどきしていた。 シャワーの音が止まり、ラフな部屋着に着替え濡れた髪をタオルで拭きながら彼が戻ってきた。 石鹸の匂いにくらくらする。 この後の事態を想像するとそれだけで目眩がした。 佑典くんが電気を消し、部屋はテレビの明かりだけになった。 「来て?」 ベットに座り彼が言った。
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