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言われた通りにベットに上がり彼に近寄った。 「好きだよ」 彼はそう言って私の頬に触れた。その大きな手に包まれているようで、また涙が出そうだった。 佑典くんは私を抱き締めキスをした。私も彼の背中に手を回した。 もっと、触れたい。もっと、触れてほしい。 彼に抱かれ、彼の空気に包まれ、自分が自分でない錯覚に陥った。何も考えられなくなりそうだ。 「好きだよ」 「好きだよ」 何度も何度も耳元で囁く佑典くんの声だけが、かろうじて私の理性を保つ。 彼しか見えない。 彼の腕の中で眠ろうとしても、何度も何度も目が覚める。眠ってしまえば、この温もりを感じていられない。彼の指に指を絡めていると、急に不安になった。 次はいつ会えるだろう。 朝になり、鳥のさえずりが聞こえてきた。 そろそろ帰らなければ、仕事に間に合わなくなる。 起き上がって携帯で時間を確認していると、彼が目を覚ました。 「帰る?」 そう言った佑典くんは冷たく感じ、帰れと言っているように聞こえた。 悪い想像なんて、したくない。 玄関まで私を送り、またね、と彼が言った。 バタンとドアが閉まり、ガチャリと鍵の閉まる音が響いた。 とても、嫌な予感がする。 一度寝たから終わりだなんて、そんなバカげた展開なんてそうそう起こるわけがない。 何度も首を振った。 爽やかすぎる朝焼けが、寝不足の私には眩しすぎる。
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