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教室では初対面の者達の自己紹介などで持ちきりの様子
座る場所も選べない状況となっていて
仕方なく目の前の椅子に腰を降ろした。
横長の机に、椅子が三席。
間が開いて二つ隣に女の子が座っていた。
鞄を両腕で抱えるように座っていて、ひどく緊張している様子だった
恋は足を組みかえ、体を横に向けて女の子に話しかける
恋『初めまして。アナタも今日からですよね』
女の子は驚いた様子で横を向き、顔を真っ赤にして小さく頷いた。
恋『俺は春風 恋といいます。…アナタは』
桜『…………紫ノ宮 桜(シノミヤ サクラ)と申します。』
続けて自己紹介する恋に、彼女は小さい声で答えた
恋はニコリと微笑み少しずつ会話を進めた
彼女は内気な性格で、初対面の人間と喋るのが苦手
それに勘付いた彼は、相づちだけで返せる話題で話す事にした
徐々にではあるが、桜の肩の力が抜けてきたように感じる
恋は安心すると子供のようにクシャッと笑った
キーンコーンカーンコーン。
始業を知らせるチャイムが鳴る…
2人はハッとした顔で目を合わせ
笑顔の余韻を残しつつ体を前へと向けた。
この教室が様々な期待の詰まった
大学生活の始まりの場所となる……
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