96人が本棚に入れています
本棚に追加
トゥルルルル……
トゥルルルル……
シーンと静まり返った部屋の中に響きわたる電話の着信音。
僕はビクッと反応しながらも、鳴り続ける電話の受話器を取った。
「もしもし、タカイです」
「あ、ショウちゃん?起きたのね。大変なの、タクちゃんが昨日から家に帰ってなくて……ショウちゃん、あなた何か知らない?」
その言葉に僕はドキッとした。
「う……うん、知らないよ。一緒にかくれんぼしてたけど、それからは知らない」
まさか……僕が見付けなかったから、タクちゃんはまだ隠れてるんじゃないのか。
「誘拐されたかもしれないから、ショウちゃんは家から出ちゃ駄目よ!!いいわね!」
そう伝えると、電話は切れた。
そうだ、タクちゃんはまだ隠れているに違いない。
僕は服を着替える為に二階に走った。
最初のコメントを投稿しよう!