第1章

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 赤信号で止まっている時、気になる店を見つけた。  飲食街から大分離れたその場所。何故このような場所に飲食店が?  十字路で区切ってある土地の一角にみすぼらしく立っているその店はよく言えば歴史のある。実直に言えば汚い店だった。 「う~む……」  私は右手にあるその店を見る。昼を大幅に過ぎている為駐車スペースには車は見当たらない。  初めての店。しかもこんなに汚い。遠目からなので店の中など見えるはずもない。  この店についての情報は外に家が気られている看板のみ。  私には今二つの選択肢がある。もう少し車を走らせて、ファーストフードの店を見つけるか、ここで食事を済ませてしまうか。  決める時間はいくばくもない。信号が変わってしまえば進んでしまわなければならない。  私は早速、一つ決断をしなければならないようだ。  ウインカーを右にあげた。その直後に信号が運命的に青に変わる。  入ってやろうじゃないか。  私はすぐさま車を駐車場へと滑らせた。
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