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とりあえず、魔王に配達を覚えさせなければならないから、声を掛けてもらいます。
すると魔王は、バサッとマントを翻して、また高笑いを始めたのです。
「ふははははっ!出てこい山岡よ!この魔王様が直々に来てやったわ!本来ならば貴様には死を運んでやる所を、喜べ!パンを運んで来てやったぞ!さあ、このドアを開け、我を受け入れるが良い。そして支払え!5Gをな!」
あー……もう、全然ダメ。
モンスター界ではそれで通用するかもしれないけど、残念ながらここは人間界です。
「魔王さんダメです!まずはノックをするのが基本ですよ!そうしないと、外でいくら話していても、独り言と変わらないんですからね!」
ドンドンとドアをノックして、山岡さんが出て来るのを待ちます。
「ぬうっ!人間界とはなんという細かなルールの多い所なのだ!やはり一度、人間を根絶やしにせねばならぬようだな……」
またなんだか物騒な事を言っていますね魔王は。
だけど、乗ってたドラゴンから落ちたような魔王ですから、きっと大した魔王じゃないんですね。
そして、しばらく待っていたらドアが少し開きました。
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