道具屋さん

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ある日、空から魔王が落ちて来た。 ドーンという、凄まじい音と共に、村の外れの空き地に墜落したそれを見に行った私は、その光景に驚く事しか出来なかった。 「お、おのれ……ドラゴン!ワシが乗る時は……髪にワックスを付けるなとあれほど……」 全身からピューピューと、青い血を噴出させながら、息も絶え絶えに文句を言う魔王が、地面に横たわっていたから。 なぜこれが魔王だとわかったかって? マントに大きく「魔王」と書いてあるからです! 「あ、あの……大丈夫ですか?」 腕も脚も皮一枚で繋がっていて、普通の人間なら、明らかに大丈夫ではない状態だけど……魔王ならきっと大丈夫だよね! 「……娘よ、お前こそ頭は大丈夫か?よくもこの状態で大丈夫かと声を掛けられたな……」 大丈夫じゃありませんでしたか! ペロッと舌を出して、コツンと頭を叩いて見せて、私はどうするか悩んだ。 選択肢はきっと二つ。 一つは、魔王を見なかった事にしてここから去る。 一つは、魔王にとどめを刺してここから去る。 「助ける選択肢はないんかい!!」 心を読まれたのか、魔王に突っ込まれました。
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