道具屋さん

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メアリーおばあちゃんの家を出て、お店に向かっている途中。 私はどうして魔王があんな事をしたのか気になって、理由を尋ねました。 「ぬ?なぜメアリーを助けたかだと?ふんっ!配達であの豚小屋のような家に行きたくなかっただけだ!やつが歩けさえすれば、店に買いに来れるだろう。ワシの手間も省けるというものよ!ふははははっ!」 なんて言って。 まあ良いです。 その言葉が本当でも、メアリーおばあちゃんが可哀想に思って治してくれたのでも。 あんなに嬉しそうなおばあちゃんの顔が見られたなら。 「しかし娘よ、貴様は大きな勘違いをしているぞ。あれは治したのではない。新たな呪いで、古い呪いを追い出しただけよ。メアリーは変わらず呪われておるわ!」 ……少しでも感心して損をしました。 「新たな呪いってなんですか!まさか、歩ける代わりに消滅してしまうとか……」 「……少しは消滅魔法から離れたらどうだ?なあに、やつの足がその役目を終える時まで、自在に操れる呪いを掛けたまでよ。ワシの呪いは強力だぞ。やつが死ぬまで解ける事はない!ふはははは!」 それってつまり……メアリーおばあちゃんの足は死ぬまで思うように動かせるって事ですよね? 「もうっ……素直じゃないんですから、魔王さんは」 なんだか変わった魔王だけど、悪い魔王じゃなさそうです。
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