25/64
7290人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
「何やってるんですか」  淳の笑い声が聞こえる。  狼狽えてすぐに離れようとすると、なぜか反対に抱きしめられてしまった。 「ほんと面白いなぁ先輩は」  腕の中でジタバタともがくけれど、なかなか抜け出せない。 「は、離せ! 何してるんだっ」 「えー、知りませんよ」  ……知りませんよ!?  そんな返しがあるか。あまりに理解出来なくて、たまに異星人と話しているような気になる。  少しの間ぎゅうぎゅうときつく抱きしめられてから解放された。 そして、息をつく暇もなくこんなことを言ってくる。 「よし、こうなったら、ジャンケンしましょう。俺が勝ったら見せてください。先輩が勝ったら諦めます」
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!