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慌てて止めても、笑ってあしらわれるばかりでやめようとしない。
こんなの、恥ずかしい。
恥ずかしいけど……嫌じゃない。
尚人はぎゅっと瞼を閉じて、タオルで拭かれている間、黙って胸を高鳴らせていた。
「ねむたい?」
髪を拭く手が止まり、おそるおそる瞼を上げる。
目を瞑っていたのを眠たいからだと思われたようだ。
この状況と淳の格好にドキドキするからとは言えない。
答えないでいると、淳が胡座をかき片方の太ももをぽんぽんと叩いた。
え、何? どういうこと?
「どうぞ」
ドライヤーのコードを近くにあったコンセントに差し込み、淳がもう一度自分の脚を叩く。
もしかして、ひ、膝枕をしてくれようとしているのだろうか。いや、まさか、そんなことあるはずがないと思う。
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