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しかし、ドライヤーではなくそれを持つ淳の手を握ってしまい、「うわっ」と声をあげて飛び退いた。  何をやってるんだろう! なんでこんなことしてしまったんだろう!  考える前に体が動いてしまい、我に返ったとたん後悔が襲ってくる。 「えっ、どうしました?」  驚いて目を見開く淳を前に、必死で言い訳を考えるが、ちっとも思いつかない。 「そ、その……お返しに、俺が乾かしたかったから……」  ぼそぼそと小さな声で呟きながら、この場から逃げ出してしまいたかった。
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