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 彼の急な思いつきを聞いて、卒業アルバムをめぐってこうなってしまったのを思い出した。 自分ばかりがひとりで動揺してみっともない。パニックに陥っていて、それどころではなかった。 「ジャンケン……」  尚人の返事も待たず、早くも始めてしまったようなので、慌てて手を出す。 「ポン!」  結果は、尚人がグーで淳がパーだった。 けれど、かすかに遅れて出された気がする。 「ずるい! 後出しした!」 「いいがかりはやめてくださいよ」  尚人の言い分は一笑に付され、淳が背後からアルバムを取って上機嫌でめくりだした。
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