7301人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
「悪いな、迎えに来てもらって」
「全然」
久しぶりに会った精悍な友人を横目で見ると、いかにも会えて嬉しいという感じで、機嫌がよさそうに口角を上げていた。
くすくすと笑いながら和美もついてくる。
駅舎を出ると、真夏の日差しがまぶしかった。
ロータリー横の駐車場に停めてあった祐樹の車に三人で乗りこむ。
祐樹が運転席で、和美が助手席、尚人は後部座席だ。
三人は小学校からの同級生で、付き合いはもう約二十年になる。
同じ町内のいわゆるご近所さんだったこともあり、小中高とずっと仲がよかった。
「尚くん変わってないね」
車が走りだすと、助手席から和美が振り返って微笑んだ。
いつまでも学生をしている自分とは違い、社会人になってふたりはぐんと大人っぽくなった。
「和美は……老けた?」
「ひどい、綺麗になったとか言えないの?」
最初のコメントを投稿しよう!