おまけの後日談

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* 冷気の満ちていた車から降りると、夏を惜しんだ太陽の乾いた熱にちりちりと当てられる。 白の車体の向こう側で、運転席から降りるなり、妹尾さんは「あちい」とぼやいた。 暦の上では秋でも、まだまだ暑い日和の九月の休日。 妹尾さんと一緒にやって来たのは、こじんまりとした産科医院。 前に一度、思いがけず訪れたことのある場所。 車にロックをかける妹尾さんに続きながら、斜め後ろからその姿を盗み見る。 暦に合わせた秋らしい紺の七分ジャケットに、ラフなTシャツ。 普段のスーツ姿とはかけ離れたカジュアルな足元から繕われるオシャレさに、目は奪われっぱなしだ。 見れば見るほど心は膨らみ、はちきれそうな想いが動悸を誘う。 密かに視姦する私に気づかない妹尾さんとともに、狭い駐車場を横切り、“時間外入口”と書かれた扉をくぐった。
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