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「大丈夫ですか?」 「ううん。……だから、もちょっと充電」 こうやって甘えてみせるのは、社長の優しさ。 聞いた私の気持ちを無下にしないため。 「先にシャワー浴びますか?」 「伊織ちゃん、えっち」 「何言ってるんですか」 「一緒に入ろうか、お風呂」 「もう……っ」 会社では絶対に見せない顔を、私の首筋に埋める。 耳裏に駆け上がってくるぞくぞくとした感覚は、私に吸い付く柔らかな口唇が自由に徘徊するから。 部屋の入り口のすぐそばにある扉。 私を抱き込んだままの社長が、雪崩れるように押し開く。 誰が点けたのか、淡い暖色の照明の灯る脱衣室。 その扉を閉めることなく、社長は清潔に保たれた洗面台に、私を抱え上げた。 「しゃ、ちょ……っ」 背後の鏡に追い詰められ、間もなく口が塞がれる。 もちろん、社長の口唇で。 社長を呼ぶために開いたのに、私の咥内に社長は不躾に潜り込んでくる。 一方的に攻められていたはずの私も、負けじと社長のネクタイを掴み強く引き寄せた。
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