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絡むのは、舌。 音を立てて引き合う唾液。 布ずれの音は、瞬く間に、ふたりの姿を照明の下に晒していく。 自分で後頭部の髪留めを解き、ふさりと長い髪が社長の顔に影を作ったところで、ようやくふたりの間に隙間ができた。 はあはあと荒く上がる呼吸が、ふたりの間で行き来する。 「せっかく、の、お料理、……冷め、ちゃいます」 「いい、……伊織のこと、食べたい」 無遠慮に私の脚を持ち上げ、長い指が、待ち構えていた私に入り込んでくる。 「ほら、こっちのがおいしそ」 「……あ、ぁあ……」 「あっついよ、伊織」 「んんっ」 長い指に追いたてられ、昂る快感。 さらけ出した素肌を社長に絡め、高い声を上げて身悶えた。 .
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