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聖剣の"魔"王
──ここに、第八代目魔王が生まれようとしている。
名はアーサー。
魔界の秘境にて聖剣エクスカリバーを護りし者。
その実力と覚悟、優しさ、そして国一の騎士道を併せ持つ。
彼は恐ろしいほどの強さと心で人々を護りぬいた。
その功績で彼はたった今、魔王の玉座を託されようとしている。
「問おう。君は民を守れるか」
「はい」
「問おう。君は魔界を守れるか」
「はい」
「問おう。…君は自信があるか」
「…勿論」
「よくぞ答えたな、若僧。貴様には勿体無いがこの玉座…そして魔王の座を譲ってやろうではないか」
「後光栄にあります、"元"魔王クトゥルー様。さっさと老いぼれはご退場なされたほうが?」
「フン、口の減らん餓鬼だ。…そこが面白い。よく貴様のような奴が魔王なぞになれたものだな」
「貴方みたいな才能のない人とは違いますからね。…最もクトゥルー様のこの地位が今までの努力を見せているわけですが」
「あぁ気色悪い!やめろやめろ!…ではそろそろ行くとするぞ。去らばだ。我が後継者よ………」
「………今まで、御苦労様でしたよ…魔王サマ…」
こうして第八代目魔王は誕生した。
名はアーサー、第七代目の直々の弟子である。
そして、ここから新たな物語が始まろうとするのであった。
歯車は回る。だが、逆向きに。
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