第1章

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拝啓 3日前の私へ こんな書き出しから始まったラベンダー色の手紙は、今から3日後の私が書いたものらしい。 1ヶ月前からこの手紙が学校の自分の席に届くようになり、いまはその信憑性に信頼を持っている。 ただ今日は何時もと違った。 いつもは3日後の私が今日起こる事を書いているが、今回は3日後の私に起こることが書かれていた。 ただその内容も解読不明で全く検討もつかないもの。 3日後まで待てば、とは思うものの気になりすぎて授業に集中できない。 2時間目がおわってまた付箋を前にウンウン唸っていると「美桜(みお)ちゃんどうしたの?」と後ろから優しげな声で呼び掛けられた。 振り向くとそこには私に声をかけたクラスメイトであるイケメンこと沢田(さわだ)くんとその後ろに同じくクラスメイトの強面の豪原(ごうはら)くんがいた。 「ちょっとね…」 話しても信じてもらえるものじゃないと曖昧に濁すと、少しだけ眉を下げた。 「僕じゃ…話にならない?」 「え、いやそんなんじゃ…」 力になりたいんだ、と寂しそうに笑った沢田くんに周りの目が気になりはじめた。 イケメンを苛めてるようにうつってしまったのか、女子の目がいたいです。 これは仕方ないと、信じてもらえないかもしれないけど…と前置きして手紙と今日の事について話した。
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