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学校中に終業の鐘が鳴り響いた。 明日からは待ちに待った夏休み。 翔大(ショウタ)にとって中学生になって最初の夏休みだった。 翔大は席を立つと彩花(サヤカ)に声を掛けた。 「彩花。今夜はウチでバーベキューだって」 「うん。聞いてる。 今朝、マヤさんが家に言いに来たよ」 マヤさんと言うのは宮坂麻耶、三十五歳。翔大の母親である。 マヤさんは息子である翔大から見ても美人な人だが金髪でタトゥ有り。翔大達の住む、この山里では、あまりに目立ちすぎるROCKな人だ。 「マヤさん、ずいぶん張り切ってたけど、私も何か手伝う事あるのかな?」 クスリと笑いながら彩花が言った。 ( カ…カワイイ。彩花、可愛すぎ! ) 翔大と彩花が出会って三年。 家も隣同士。 彩花は翔大の初恋の人で、毎日顔を合わせる彩花の笑顔にトキメキを感じていた。
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