二十歳までのカウント

8/13
前へ
/13ページ
次へ
 結局、2件目で無事に黒ボーダーを発見した二人だったが、その直後に3件目の『水色ボーダー 蛙 買う』のメールが届いたため、二人は再び5件目のコンビニに戻ることになり、途中軽く昼食をとったりしていたら、水色ボーダーを買い終わった時には時刻は午後3時を過ぎていた。 「続きが気になるけど、俺、これからバイトだから帰るわ」  さすがに少し疲れたのか、いつもより元気のない様子でカズマが言った。 「あぁ…………悪いな、仕事なのにここまで付き合わせて」 「いや、いいよ。俺が言い出したんだし」  なにかあったら教えろよ、と言い残し、カズマは帰っていった。  ひとり残されたシンは、自分の右手を見た。そこにあるのはコンビニのビニール袋。中には蛙ストラップのおまけがついたわいわい茶が三本入っている。 「で、これどうするんだよ」  買ったはいいが、これから半年の間、これがいったいなんの役に立つのか検討もつかない。カズマが言っていた彼女に渡すためにというよりは、これにプレミアがついて売りさばくためという方が実感がわくが、確か金儲けの半年後メールは禁止だったはず。  まぁ、ここであれやこれやと考えていてもらちがあかないと、帰るために自転車にまたがった時、再びメール着信音が鳴り響いた。  ………… また!?まさかコンプリートさせる気か!?…………  最悪の考えがよぎるなか、恐る恐る携帯画面を見ると、そこにはまるで予想外の一文が表示されていた。 『中央病院 702号室』  …………それは、ここから電車で1時間ほど行ったところにある総合病院だった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加