8.恋の予感の走る瞬間!

5/9
787人が本棚に入れています
本棚に追加
/419ページ
それから亜子と宮内くんの話。 これは一澤くんから聞いた話だけど、三人で道を歩いている時、たまたま靴紐がほどけて、自分だけがしゃがみこんだことがあったんだそうだ。 そのタイミングで、全く別の映画かなんかの話をしていたはずの亜子が、宮内くんに対して突然、“ごめんなさい”と謝った。 それに対して宮内くんは、なんの話? とも聞かずただ、“おう”とだけ答えたらしい。 一澤くんはなんだこいつら? テレパスなの? とその時は思ったみたいだけど、後々考えてみれば、それは亜子が宮内くんの告白を断った時のひどい言葉に対して謝ったんじゃないかと言う。 亜子の中にいつもあった罪悪感。それを知っていた宮内くん。 あの二人もけっこうすごいよな、とあたしは感心してしまった。
/419ページ

最初のコメントを投稿しよう!