怖いもんや

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駅近の繁華街なので、人が多い。 歩行者天国になっているので車は無い。 夜は飲み歩く人達で溢れるこの通りは雑居ビルの袖看板や、個性溢れる飲食店が並ぶ都内でも有数の通りだ。 琴音「ねぇ!あれ!なんの店だろね!」 一つの木目調の漆黒に白い文字が書かれた看板を指差しながら琴音がノブに目を合わせる。 ノブ「? 怖いもん、や?家系ラーメン?」 今ランチとスパークリングワインを飲み、まん丸なケーキをほぼ一人で平らげたノブは、少し引き気味で琴音に問う。 ノブ「ま、まさか、まだ、食う?」 琴音「まさかあ!あれは食べもんやじゃないでしょう?」 ノブ「そだな。なんの店やねんっ!ややこしいっ!」 琴音「怖いもん屋、だから、怖いものでも売ってるかもよー?」 両手を上げ爪を立てながら戯ける。 ノブ「ははは!ゲテもんは嫌だけど、お化け屋敷なら、どんとこーいだぜ~!」 琴音「ねぇ。」 ノブ「ん?」 琴音「入ってみない?まだ13時前だしさあ。」 ノブ「んああ?いいよ、なんの店かわかんないけど。もし、食べもん屋だったら、あ、間違えやしたぁって出ていこうか!」 琴音「キャハっ!それいいね!」 よくは無いが。 二人はそういって漆黒のやや和風でモダンな店に入った。
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