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少年は探していた。
「へぃ!新鮮な魚だよ!兄ちゃん買うかい!?」
「いや、買い物に来たわけじゃねぇんだ。悪ぃなおっちゃん」
ずっと探していた。
「確かにあのインチキ占い師、この街のどっかにいるって言ってたよな。何時間探したって見つからねぇじゃねぇか」
少年は疲れたように溜息をつく。
「まぁまぁお兄さん。もう少し頑張ってみようよ。あの占い師さん、結構当たるらしいし」
隣を歩くもう一人の少年が宥めるように言った。
この二人の少年、(大きい少年が十七歳くらい、小さい少年が十四歳くらい)は探し者にこの街に来たのだ。
「らしい、じゃだめなんだよ。確実じゃねえと。まぁ、他に手がかりがねぇから仕方ねぇんだけどよ」
大きい少年は服のポケットに手を突っ込みながら不貞腐れたように言った。
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