1 再会

29/35
前へ
/35ページ
次へ
紙コップがマシンに入れられて、抽出待ちだ。ちょっと時間がかかるだろう。レジでは作業服の男性が苛立たしげにこっちを見ていた。  「ほんと?ごめん、お願いしていいかな?おばあちゃん、あとはこのお姉ちゃんが教えてくれるからね、ほんと、ありがとう」  女性は「次でお待ちのお客様―」と声をあげ、隣のレジに入った。  楓はコーヒーの入ったコップを取り出し、砂糖やミルクを入れるか聞いて蓋をしてあげた。  「ありがとね、息子が飲むんじゃないかと思って、頼んだんだけど、ちょっと難しいね」  「大丈夫ですか?熱いですよ」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加