1 再会

30/35
前へ
/35ページ
次へ
聞けば、息子は駐車場の車で待っているというので、楓は車までコーヒーを持っていってあげた。運転席に座っていた男性は、母親がコーヒーを買ってくるとは思わす、しきりに楓に謝っていた。  店内はまだ人が並んでいるようで、どうやら来る時間を間違えたようだ、と楓は思った。   その日、楓は落ち着きなく昼間をすごした。登録した転職サイトから届く求人情報をぼんやりと眺め、手書きの履歴書のほうが採用率が高いというあまり信ぴょう性のないネット記事を見れば、数枚履歴書を書いたり、昼間から家にいることを母親になじられたりした。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加