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「いや~、奇遇だねえ。この近くに住んでるの? あ、実家かな?」
山本という名札をつけた進藤は、一番大きな容器に楓の頼んでいない卵や大根を入れていく。
「あ……、うん、実家だけど……。進藤くんは?」
つゆをおたまに二杯も入れてふたをする。軽く二人前はありそうなおでん。
「俺? 俺はすぐ裏にあるハイツで気ままな一人暮らし。親が離婚してね~、家族バラバラになっちゃってさ。だから俺、今母方の姓になってんの。辛子つける?」
辛子もたくさん入れた大きなおでんの入った袋を渡された。
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