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テールは風と意識を共有し、自分の周辺の生物を探索していた。
風が何かに当たり割れていく、その割れた風は物体をなぞり通り過ぎる…
テールにはその風が感じた感触を共有する事が出来る。
色や細部の形は分らなくとも、物体のシルエットや、柔らかさ等の大体は把握出来る。
因みにかなり繊細な技であり、神力量も必要とする。
高等技術技に分類される。
遠ければ遠い程消費する神力量も比例して多くなる為、あまり広くは出来ない。
戦闘に支障が出ない範囲を前提とすると、せいぜい半径30km程。
「…似たような生物はいるけど、どれがそうなんだ?」
目を瞑ったまま、眉間にシワを寄せて呟く。
「…わっかんねぇなぁ!…うわっ!!!!」
テールは目を開けたとたん驚き仰け反る。
探索は自分を中心に、円を広げていくように遠方へ広げていく。
遠くなればなる程自分に入ってくる情報量も増える為、だんだん広がる速度は遅くなり、探索し終わった近場から遮断していく、基本的に遠方を探索している時には自分の周りの感覚には疎くなってしまう。
そして今、驚きのあまり仰け反り、背後に手を着いたテールの目の前には、白髪の長いボサボサの髪をした少年がしゃがみ込み、頬杖を付きながらテールの顔を下から覗き込んでいた。
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