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テールはハッと気付いた様に岩から飛び退いた、その際落ち葉が溜まりこんだ地面に着地した為、少し足が滑り、体勢を崩しながらもすぐさま立て直す。
テールは突然の事に明らかに動揺していた。
いくら探索中であったとは言え、何も気付かずに目の前まで接近された。
テールは所属するテング部隊の中でも上層に位置する立場、テング部隊はこの国の神力使を選りすぐって作られた部隊、テング部隊で一番強ければすなわちこの国で一番強いと言っていい。
そんな最高ランクを保持し、部隊の上層部隊に属しているテールが、何も気付かずに人に接近されていたのだ。
動揺するのも無理はない。
少年は相変わらず体勢をそのままに、キョトンとした顔でテールを眺めている。
「…お前…誰だ?」
「…………」
テールは話しかけるが少年は何も答えず、ユックリと立ち上がる。
ボサボサの白髪はお腹の辺りまで伸びている。
伸ばしていると言うよりは手入れを何もしていないと言ったところだ。
上半身には魔物から剥ぎ取り作ったと見える、白い毛皮の様なものを羽織っている。
下半身も同じ白い毛皮で無理やり作られた物だろう、右足は引きずる程の長さで、左足は膝下位までの長さで、腰の辺りで何かで縛って外へ折り返し、左側が長めになっている。
その姿をユックリとみたテールは、依頼書の「白い人の様な魔物」とはコイツの事じゃないかと頭の中で仮説をたてた。
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