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「おっさん、何やってたん?」
唐突に喋り出す少年。
「………おっさんは無いだろう…」
少し間を開けて呟くテール。
テールはまだ28歳、落ち着いて見られるがオッサンと呼ばれる様な見た目でもない…が、今はフードと布でほぼ顔が見えない状態。
少年は身長160cm程で顔にはまだ幼さが残っている。
「この辺あぶねーがら気ぃつけた方が良いよ」
「……あっ、……そう、心配ありがとう」
普通に心配され呆気に取られるテール。
「人と喋んのひっさしぶりだがら、緊張すんなぁ~
ちゃんと通じてんだがや?」
「…この地方特有の訛りが酷いけど、一応通じてるよ」
「道に迷ったんか?
もしアレだったら出口まで連れでってやっても良いよ」
「いや…、俺はまだ状況が把握出来て無いのだけれども、君はこの辺の村の子?」
「…住んでる」
「はい?
ここで?この魔物だらけのギョミ深森林で!?」
「ギョ?この森のこどが?んだ、村がなぐなってがらね、ちょっとくだりゃ水もあるし、魔物意外と美味いし」
呆気に取られ目をまん丸にしながら深呼吸をするテール。
ギョミ深森林は子供が住めるような所では決してないが、この野生と言う言葉が似合う場所に、何の違和感もない格好の子供が実際に目の前にいる。
理解しようと懸命に深呼吸で意識を整えたのだ。
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