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深い深い森の中、1人の青年が奇妙な生き物と対峙している。
青年は深緑色の革製のロングブーツを履き、無地の白く薄い布製のズボンをそのブーツに入れている。
上半身にはフードと襟元にボタンが付いたポンチョの様な物をボタンを外したままラフに被り、顔を隠すかのように黒い布で鼻から下を覆う。
ポンチョのフードも深く被っているため、目と眉頭だけが光を浴びていた。
腰には小さなナイフ数本と、何かが入った、膨らみのある小さな革製の薄いオレンジ色の袋が付いた太めのベルト。
背中には長い両刃の剣を何の飾りもない鞘に納め背負っていた。
「俺が探してるのはキミじゃぁ ないんだよねぇ…」
青年は目の前の生き物に話しかけた。
その目の前の生き物は、体長約3メートル、身体中ビッシリと体毛が生え揃っており、腕や足は異様に太く、大きな目が1つあり、口元は犬のように前に突き出していた。
この辺では大して珍しくも無い、よく見る【魔物】だった。
性格は凶暴で雑食。
大きな目は目の前の青年をシッカリと【ご飯】と認識しているのか…
「ゴオオォォォッ!」
と響くような咆哮を上げ、口元からは涎を大量に垂らしていた。
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