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青年はその姿に臆する訳でもなく、ブーツの爪先をトントンと地面に当てると、左手を前にして少し重心を下げ構える。
「去るモノ追わず、来るモノ拒絶…
キミがやる気なら容赦しない…」
そう言いながら全身から淡い光を放つ…
「コイツは確かCランク…
とりあえず…様子見るかな…」
青年がそう呟くと同時に、目の前の魔物は重心を低くし、けして柔らかくは無い土の地面がえぐれる程強く蹴り、涎を撒き散らしながら青年に向かって物凄い速さで飛びかかる。
右腕の先から人間の腕程の太さのある爪を、体毛を押分けニョキッと2本生やし青年に向かって上から下に振りかざす。
青年はそれを横に最小限の動きで避け、地面に突き刺さった爪を踏みつけ腕を駆け上がる。
そして頭の上に逆立ちをするかのように両手を乗せ、体毛を鷲掴みにし、背中側に倒れ込み半回転した勢いそのままに3メートルの巨体をぶん投げた。
魔物は急に回転した景色に驚き、大きな1つの目玉をギョロリと動かしながら宙を舞う。
青年はすぐさま左手を魔物に向け突き出し呟く。
「神」
すると左手は強く光出した。
「放弾!」
青年がそう言い放つと、左手の光は魔物に向かって手から離れ、光の球体となって魔物に向かう。
ボゴゥッ!!
光の球体は宙を舞っていた魔物に当たり小規模な爆発を起こし、魔物をさらに吹き飛ばす。
魔物は地面を擦るようにはじかれ、木に背中から激突し止まる。
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