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青年はその隙に一気に距離を縮め、ナイフが貫通した傷口目掛け、光に包まれた右手を構える。
「神放弾!」
ボゴン!
「グキョオオゥゥガゴォォォォォォ!!!」
傷口に狙いを合わせ打ち込む。
悲鳴と思われる様な声で鳴き悶えようとする魔物に、それさえも許さないタイミングで青年は連続で光の球体を打ち込む。
「連発!!」
広がった傷口に対し体内に打ち込むように角度を付け撃つ。
魔物は目を充血させ、口からは何とも言えない様な臭いのする煙りを上げ、ゆっくりと後ろへ倒れ込む。
ズズーン……
3メートルの巨体が砂埃と煙りを上げながら倒れ込む。
鈍い地響きと、青年の放った連続の爆発音で周りの木々から鳥達が飛び立つ羽音が聞こえる。
「ランクCの癖にやたらタフだったな、放弾4発も打ち込んじゃったよ。
とりあえず先を急ごうかな、今日中に見つけたいし」
青年はポンチョとズボンに付いた砂を払う。
ポンチョの左胸の辺りには、菱形の周りに小さな丸が4つ描かれた何らかのマークが付いている。
青年はフードを被り直すと深い深い森へと消えて行った。
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