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ある日、俺のもとに郵便物が届いた。
十センチくらいの正方形の箱。送り主の欄には、《山寺 奏多~やまでらかなた~》とかかれている。
どうやら、俺の友人かららしい。
奏多は中学からの付き合いで、今は外国にいてなかなか会えない。そんな友人からの贈り物に俺は感動した。
外国からのお土産だから、何が入っているのかとワクワクしながら、早速中身を開けてみる。
箱の中には、黒塗りされた20面体のパズルのようなものが入っていた。パズルには何本か線が入っており、縦横に自在に動く。それはさらに縦横の列が自在に取り外しが出来るようになっていた。
疑問に思いながらパズルを持ち上げると、底に説明書が入っているのに気づき手に取る。どうやら、これは立体型パズルであり、組み立て形次第で様々な動物になるらしい。
俺は、結構プラモデルとか、ラジコンとかを組み立てるのが好きだ。何かを作るのが好きな俺は、試しに説明書にある熊をつくる事にした。
すぐに完成。だが俺は、その完成体を見て思わず息を飲んだ。
何故ならそれは、おもちゃの熊ではなく、まるで、生きているかのようなリアルさがあったから。
キューブの魅力にはまった俺は、次々に動物を作っていった。鷹や狐、兎‥‥
作る度に気持ち悪いくらいに魅力に取り付かれていく。
だが、それと同時に、動物を完成させていく度に怪奇現象が起こるようになっていた。
段々、酷い耳鳴りや、寝ている側を大勢の人間が通り過ぎていくような音がする日が増えていく。
パズルは最後の一つ、【魚】だけになっていた。
その頃には、音だけでなく、見てはいけないものが【視える】ようになっていた。
気持ち悪いから、今すぐやめなければならない。だが、何故だろう‥‥
やめたいのに、
ヤメラレナインダ‥‥
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