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「あれは、【RINFONE】-リンフォン-と言って、並び替えると【INFERNO】-インフェルノ-になります。インフェルノとは、インヘルノ‥‥地獄を表す。RINFONEは、極小サイズの地獄そのものと言われ、都市伝説になっているものです。
完成しきれていなかったRINFONEにあれだけの霊が引き寄せられて凶暴化していたと言う事は‥‥完成していたら、もう手遅れだったかもしれませんね。」
麗は丸椅子に腰掛け、あのオブジェの正体【RINFONE】について説明していた。
除霊後、すぐにRINFONEは術を用いて封印。しばらくして無事意識を取り戻した男は、体力低下の為、すぐに病院にて治療を受けた。
現在は、男が寝ているベッドの周りに、一同が座っている。
「あれ、じ‥‥地獄だったんすね‥‥。なんか嫌な予感して‥‥、家の壁に入っていく人間の下半身とか見えだすし。やばいと思ったけど、止まらなくて‥‥本当に完成させてなくて良かった‥‥!」
思い出したのか、自身の肩を抱き抱え、ガタガタと震える男‥‥名前を、林山 照之(はやしやま てるゆき)。
「いや本当に。‥‥ところで、林山さん。貴方、【山寺】という人物に覚えはありませんか?」
何も知らなかった霊達が口にしていた、唯一のキーワード。
この【山寺】と林山が繋がれば、何かが見えてくるはず。
糸口は思いの外、あっさりと見つかった。
「山寺‥‥?山寺って山寺 奏多っすか?」
「知ってるんですか!?」
林山の言葉に、三人共身を乗り出した。
「もしかして、あれですか?ちょっと前になんかあったとか?なんか恨まれる事しました?」
「お金関係のトラブルとかありました?」
「というか、その人何してる人ですか?あんな物送るくらいだから、相当ヤバイ人ですよね?」
答えが見えた三人は、それぞれ林山に矢継ぎ早に質問する。
どんどん近くなってくる三人の迫力に、林山は、「ひいっ」と小さく悲鳴を上げる。
「い‥‥いや、山寺は普通に!普通にダチですよ!カメラマンで外国に行ってて最近会ってないけど‥‥」
「えっ?友達なんですか?友達なのになんで‥‥」
「てっきりそのスジの人間かと‥‥‥」
糸口は見つかったが、予想外な答えに、三人は微妙な反応しか返せなかった。
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