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白煙ただよう街
電飾で多色になった街よりも
見たいものは白煙だ、って言ったら
鼻で笑われてしまうけれど
私は無骨で雄々しい工場が好きなの
眠らない街のようで
静寂を機械音だけが切り裂く
たまに感じる
唸るようなパイプの軋み
冬の訪れの意味を持つ街よりも
見たいものは白煙だ、って言ったら
今でも眉が引きつるけれど
私は産業を動かす工場が好きなの
近未来に来たようで
街の明かりに同化する点滅
たまに聞こえる
警告音のような甲高い音
モクモクと
沸き立つ白煙にロマンと希望を連れ立って
いつだって、そこは
「白煙ただよう街」
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