第1章

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私は、突然届いたこのメールを大学の講義中に開いた。 穏やかな小春日和の午後初めの講義。広い階段教室の後ろの方で、同じ学科の友達と二人で並んで座り、眠さと闘っていたところだった。 この後彼氏と会う予定だった私は、携帯をマナーモードにして、バイブで先生にばれないようハンカチの上にそれを置き、メールがきたらすぐわかるようにしていた。 ウトウトしていたときに受信したらしい。隣の友達が気付き、 「メールだよ!彼氏彼氏!」 と横からつつきながら小声で教えてくれた。 いつもなら、知らない人からの怪しいメールなど開けもせず削除しているのに、寝ぼけて彼からだと思い込んで、よく確かめもせずに開けてしまった。なんだ、彼じゃなかった。しかも何だかわかんないけど長文だ。えーい、開けてしまったのなら同じことだと思い、最後まで読んだ。
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